正常腎機能を有する50例(100腎)を対象に、高分解能3TMRIによる腎周囲リンパ網の描出能を評価した。その結果、腎筋膜下、腎被膜周囲、腎被膜-筋膜間、腎門部領域のうち、腎門部リンパ路は100%同定できた。一方、腎被膜周囲(44%)、腎被膜-筋膜間(39%)、腎筋膜下(22%)のリンパ路は、十分に同定できなかった。その理由として、腎周囲リンパ網の主流が腎門部リンパ路であることに起因するものと考察した。また、腎機能障害患者では、腎被膜周囲リンパ路が100%同定でき、腎リンパ流の鬱滞による影響が示唆された。本研究成果は、腎周囲リンパ網評価における高分解能MRIの可能性を支持するものと思われた。
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