研究課題
①乳癌主病巣、センチネルリンパ節(SN)、非センチネルリンパ節(NSN) の組織標本(パラフィンブロック)を用い制御性T細胞(Treg)のマスター遺伝子の産物であるFoxp3の免疫染色を施行し、Tregの集積数を評価した。臨床病理学的因子(乳癌主病巣の浸潤の程度、組織型、SN転移の有無、NSN転移の有無)とTreg数との相関を解析した。今後、臨床病理学的因子として年齢、閉経状況、BMI、浸潤径、乳管内成分の広がり、組織学的悪性度、subtype(エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、HER2発現の有無、Ki-67の陽性率)を追加し、Treg数との相関を解析する予定である。② ①と同じ検体を用いて、Treg の主なケモカインであるCCL22の免疫染色を行った。今後Treg の集積数との相関を検討する予定である。③ ①に用いた症例の主病巣の検体よりRT-PCRに用いる為のRNAを注出を試みたがホルマリン固定された組織のパラフィンブロック検体から抽出されたRNA検体の品質にばらつきがあった。今後Foxp3ならびにCCL22の mRNA発現量を半定量し免疫染色の結果と相関するか評価予定である。RNA抽出にあたってはホルマリン固定されたパラフィンブロックからの抽出が可能と謳われている市販のキットを使用したが、現状ではRNA抽出用にRNAlater等を使用し凍結標本を残しておいた方が良いと考えられた。④ SPECT-CTとRVSを用いて、術前に同定したSNと手術中に摘出したSNを一致させる事は可能であった。複数個のSNが同定された時の評価は、代表する1つのSNで行うのが良いのか、全てのSNの平均、あるいは総和で行うべきか等の課題が明らかになった。
すべて その他
すべて 学会発表 (1件)