研究課題/領域番号 |
25461990
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
浅野 倫子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (70624427)
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研究分担者 |
遠山 竜也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30315882)
吉本 信保 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10551244)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 癌 / 乳癌 / LMTK3 |
研究実績の概要 |
乳癌の約8割を占めるエストロゲン・レセプター(ER)陽性乳癌では、ホルモン療法に対する耐性化が臨床上問題となっており、その克服が緊急課題である。耐性化の主要機序であるERのリン酸化には、チロシンキナーゼであるLMTK3が深く関与していることが最近報告された。本研究ではLMTK3を標的とした新規ホルモン療法の開発を目指すことを目的とする。 まず、乳癌の臨床検体219例を対象に、LMTK3 mRNA発現レベルと臨床病理学的因子および予後との相関について検討した。LMTK3 mRNA発現レベルと臨床病理学的因子との間には相関を認めなかったが、LMTK3 mRNA発現レベルと予後との間に相関を認めた。特に、術後ホルモン療法を施行したER陽性乳癌において、LMTK3 mRNA発現レベルと予後との間により強い相関を認めた。一方で、ER陰性乳癌においては両者に相関は認めなかった。 次に、乳癌の臨床検体約600例を対象に、LMTK3 mRNA発現に関与するとの報告があるLMTK3のイントロン領域の二つのSNP(一塩基多型:single nucleotide polymorphism)解析をTaqMan SNP Genotyping Assaysシステムを用いて行ったが、これらのSNPとLMTK3 mRNA発現との間には相関を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
乳癌組織アレイ(約500症例)を対象に、LMTK3蛋白発現および、ERの主なリン酸化部位であるSer118およびSer167に対する抗体を用いて免疫組織学的に検討しているが条件設定に難渋しているため。
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今後の研究の推進方策 |
ER陽性乳癌細胞株(MCF-7、T-47D、BT-483等)を用いて、LMTK3 mRNA発現およびウエスタンブロットにてLMTK3蛋白発現と解析した後、LMTK3高発現細胞株を用いて以下の実験を行う。 1:LMTK3をsiRNA発現ベクターにてノックダウンして細胞増殖能(MTTアッセイ)およびアポトーシスの解析を行う。 2:LMTK3高発現細胞株に対するLMTK3ノックダウン療法と、既存のホルモン療法単独およびLMTK3ノックダウン療法との併用療法の効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
乳癌組織を対象に、LMTK3蛋白発現および、ERの主なリン酸化部位であるSer118およびSer167に対する抗体を用いて免疫組織学的に検討しているが条件設定を行っている段階のため。
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次年度使用額の使用計画 |
乳癌組織を対象とした組織アレイ(約500症例)を用いて、上記の免疫組織学的検討を行う。
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