本研究は、尿禁制の回復における解剖学的な外尿道括約筋筋膜の機能的役割を検討し、Tissue Engineering技術を応用した骨髄、脂肪由来細胞の細胞シートによる尿禁制の回復ができるのかどうかを明らかにすることである。最初に、ウサギ尿道括約筋筋膜欠損モデルの確立を目指した。しかし、ウサギには、ヒトと類似する明らかな外尿道括約筋筋膜を同定できなかった。そこで、尿道括約筋筋膜を含むと考えられる尿道組織に熱傷を与え、ウサギ尿道括約筋筋膜欠損様尿失禁モデルを作製した。続いて、熱傷を与えた部位に、骨髄、あるいは、脂肪由来細胞で作製した細胞シートをパッチ移植し、機能的な尿道の再生について検討を行った。
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