慢性中耳炎は小児においても成人においても難聴をきたす大きな原因のひとつである。抗生剤が効きにくい薬剤耐性菌による慢性中耳炎症例が増加しており、従来の治療法では治療が困難な症例があることから、今回、我々は新たな視点からの治療法を確立することを目指して研究を行った。その結果、慢性中耳炎において炎症を惹起するシグナル経路としてトール様受容体とインフラマソームが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。これらの因子をコントロールすることが難治性慢性中耳炎に対する新たな治療選択肢となりうる可能性が示唆された。
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