加齢性内耳障害の予防・治療を目的に、基礎的にはサーチュイン、アクアポリン、ヒスタミン受容体の内耳での分布、加齢による変化とその意義を検討した。また、バゾプレッシン長期投与により内リンパ水腫とめまいを生じる新しい動物モデルを開発し、めまい発作の発症機序、ストレス、メラニンとの関係を解明し、ラタノプロストが内リンパ水腫の形成を抑制することを明らかにした。また、老人のめまいでの中枢の影響を検討するため、NIRSを用いて身体制御時の大脳皮質応答について検討し、体性感覚入力が減弱する条件で頭頂側頭領域が活性化することが判明した。臨床的には加齢性平衡障害に対しても薬物による治療が有効であることを示した。
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