網膜色素上皮細胞をTGF-β2で刺激すると上皮間葉移行を起こし、I型コラーゲンに代表される細胞外マトリックス産生やfibronectin ED-Aの発現が増加する。抗Fibronectin ED-A抗体はTGF-β2で誘導される網膜色素上皮細胞の上皮間葉移行を抑制し、I型コラーゲンの産生を著明に抑制した。Fibronectin ED-Aは正常組織ではほとんど発現が見られないため、増殖硝子体網膜症治療の標的分子となる。現在、Smad、p38MAPK、PI3K、PKC-δ各因子とfibronectin ED-A間のクロストークについて検討中である。
|