本研究ではポリビニルアルコールのインプラントとしての耐久性、細胞毒性、生体親和性を解析した。加速劣化試験では、シリコン群とPVA群では圧縮強度に変化は認めなかったが、PVA群の一部において試験前後での重量の増大を認めた。細胞毒性試験では、シリコン群とPVA群に、明らかな有意差は認めなかった。また、両群で明らかな形態変化、細胞骨格の変化の違いは認めなかった。ラット皮下埋植試験では、PVAに関して形状がやや膨張し、重量が増えた群も一部あり、PVA群はコントロール群のシリコンブロックに比較して、マクロファージや多核巨細胞などの炎症細胞の集積を認めた。
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