採取面積の10倍以上に拡げられるマイクロスキン技術と組織密着性の高いナノシートを用いた熱傷治療について、マウス熱傷モデルを用いて検討した。マイクロスキングラフティングは創閉鎖を促進させるのみならず、線維芽細胞の増殖が観察され、真皮層の良好な構築が得られた。この作用機序について検討したところ、マイクロスキングラフティングによって、線維芽細胞の増殖に関与する血小板由来増殖因子の発現が増強していた。さらに、早期から創部の血管総面積、枝別れ本数も増大し、血管網の成長促進効果を示した。したがって、マイクロスキングラフティングとナノシ-トは、重症熱傷における有効な治療法として期待される。
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