本研究の目的は基礎および臨床の両面からの研究により、がん化学療法による味覚障害の発現機序を解明し、合理的な対策の端緒をつかむことを最終目標としている。 基礎的研究:ラットを用いた動物実験において、抗がん剤の味覚への影響を甘味と塩味を用いて2ビン法で検討したところ、塩味と比較して甘味の嗜好性への影響が大きかった。臨床研究:乳癌と血液癌に対する異なる化学療法を行っている患者を対象に味覚への影響を検討したところ、味質への影響に違いがあった。それぞれの抗がん剤は特異的に味覚を修飾していることが示唆された。
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