研究課題
基盤研究(C)
本研究では口腔癌の発症におけるEBVの関与を明らかにする目的で、EBV感染ゲノムならびにその発現について検討を行った。合計333例のホルマリン固定パラフィン包埋組織材料、正常粘膜 (n=30)、炎症性歯肉 (n=32)、炎症性扁桃 (n=17)、上皮異形成 (n=83)、口腔扁平上皮癌 (n=150)および鼻咽頭癌 (n=21)を用いた。その結果、癌に前駆する高度の上皮異形成においてEBV感染ゲノム(EBNA-2、LMP-1)が高率に検出されること、さらにEBERやLMP-1の発現強度が高い傾向にあることから、口腔扁平上皮癌の発生要因の一つとしてEBVが関与している可能性が示唆された。
病理学