本研究では、成人の顎骨低形成の病態解明のため、リラキシンの変形性顎関節疾患への関与を検討することを、第一の目的とした。in vitroにおいて、不老不死化マウス顎関節円板由来細胞に対して、リラキシン処理し、線維芽細胞様クローン細胞において、RXFP1/2およびMM9/13の発現量が増加した。また小児の顎骨低形成の病態を解明するため、小児OSAにおける顎骨低形成に着目した。病態の主徴である間欠的低酸素下にて成育したラットのX線解析の結果、低酸素曝露による下顎骨を主体とする顎顔面骨劣成長が見られた。下顎頭の骨微細構造をCT解析すると、骨密度の上昇が認められ、関節部における骨代謝の変調が示唆された。
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