研究課題/領域番号 |
25463327
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
米田 照美 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00353037)
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研究分担者 |
前迫 孝憲 大阪大学, その他の研究科, 教授 (00114893)
伊丹 君和 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30310626)
黒田 恭史 佛教大学, 教育学部, 教授 (70309079)
清水 房枝 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90456723)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 危険認知 / 眼球運動 / 医療安全 / リスクマネジメント / 看護学生 / 看護師 |
研究概要 |
平成25年は、本研究の実験環境、実験課題を設定するための予備的実験を行った。「患者のベッド周辺環境」の静止画像の観察時における看護師と看護学生の観察力の違いを明らかにするために、看護師5名と看護学生8名を対象に眼球運動(眼球停留回数、眼球停留時間)の測定を行った。眼球運動測定器機はアイマーク・レコーダー(nac社:EMR-9)を使用した。実験場所は他者と隔離された個室にて実施した。パソコンに取り込んだ観察課題「患者のベッド周辺環境」の写真(静止画像)を被験者に15秒間観察してもらう。実験時の被験者の観察時の視野映像は録画した。また、実験後には対象者が意識的に観察した箇所について自由に記述をしてもらった。 眼球運動測定データの解析ソフトはEMR-dFactory(dExpress)を用いた。解析条件を最小時間0.1sec、最大範囲1deg、最大速度65deg/sec、眼球停留回数・眼球停留時間は、停留時間0.1秒以上に設定とし、眼球停留点時間分析、眼球停留点回数分析を行った。両者の眼球運動測定のデータと自由記述内容の比較検討を行った結果、「オーバーテーブル付近」「左上肢付近」「ベッド柵付近」「ストッパー付近」において、両者の観察時の眼球運動に違いが見られた。看護師は看護学生と比較して、看護師の方が眼球停留時間の短い箇所があった。しかし、記述内容では多くの危険が予測されていた。看護師は、看護学生よりも効率のよい観察を行っていた可能性が考えられた。他方、看護学生は演習時に教員から注意して観察するように繰り返し指導した箇所については、意識的に観察された可能性が伺えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年は、看護学生と看護師との観察力の違いを明らかにするために実験環境、実験課題を設定するための予備的実験を行えた。その結果、次年度以降の実験に向けて、実験環境、実験課題等にいくつかの改善点を見つかち、改善策を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年は実験環境設定・分析方法を一部改善し、実験の対象者数を約30名まで増やしていく予定である。平成25年の予備的実験では、観察課題の場面が「患者のベッド周辺環境」の1場面であったが、観察課題の場面数を増してデータを収集する。静止画像の観察時における看護師と看護学生の観察力の違いをより明らかにするために、危険予知をして視線を停留させたかが分かるような実験方法および分析方法を取り入れる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品購入時、予定した金額より低かったため、残金が発生した。 次年度の物品購入時に繰越する予定である。
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