研究課題/領域番号 |
25463327
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
米田 照美 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00353037)
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研究分担者 |
前迫 孝憲 大阪大学, その他の研究科, 教授 (00114893)
伊丹 君和 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30310626)
黒田 恭史 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70309079)
清水 房枝 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90456723)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 危険認知 / 眼球運動 / 医療安全 / リスクマネジメント / 看護学生 / 看護師 |
研究実績の概要 |
【研究方法】平成26年度は実験方法の見直し、観察課題の場面数と実験対象数を増やした。対象者は看護学生28名と臨床経験5年目以上の熟練看護師28名である。2)観察課題には、転倒・転落の危険箇所を含めた場面A「病棟廊下で杖歩行する患者の様子」場面B「ポータブルトイレへ移乗前の患者の様子」場面C「看護師が患者を車椅子移乗している様子」の静止画3枚である。ディスプレイに観察課題の静止画を呈示し、眼球運動測定器機(EMR-9:nac社)を装着した状態で被験者に観察してもらい、危険認知した箇所を見た際にボタンを押してもらった。実験は、個室で1人ずつ、10秒間で行った。3)解析にはEMR-dFactoryを用いた。観察課題には、危険と思われる領域(危険認知領域)をあらかじめ設定した。対象者がその危険認知領域を危険と認知しボタンを押したかどうかの有無と回数(危険認知回数)を集計した。分析は、Mann-WhitneyU検定(SPSS19.0)を行った。看護学生群と看護師群の2群間の「危険認知回数」を「危険認知領域」毎に比較した。【結果および考察】1)場面Aでは、危険認知領域を6領域に設定し、看護学生と看護師の危険認知回数を測定した結果、全領域の認知率は、看護学生は看護師よりも有意に低かった(p<0.01)。2)場面Bでは、危険認知領域を5領域に設定し、看護学生と看護師の危険認知回数を測定した結果、全領域の認知率は、看護学生は看護師よりも極めて有意に低かった(p<0.001)。3)場面Cでは、危険認知領域を8領域に設定し、護学生と看護師の危険認知回数を測定した結果、全領域の認知率は、看護学生は看護師よりも有意に低かった(p<0.05)。看護師は、看護学生と比較して「危険認知領域」への認知率が高いことを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、実験環境・実験方法を改善し、観察場面数を3場面、実験対象者数を約30名へと増やし、実験を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、実験環境・実験方法を改善し、観察場面数を3場面、実験対象者数を約30名まで増やし、実験を行った。実験測定値データの大まかな分析・結果は得られたので、今年度は、実験時の自由記述内容の分析を進め、実験測定値データと合わせて考察を深める。また、これらの実験結果を看護学生を対象した医療安全教育の演習に導入する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実験物品の金額の低下ならびに物品購入の必要がなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の実験ならびに演習時に発生する消耗品に使用する(USB、SDカード、文房等、報告書作成費等)
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