研究課題/領域番号 |
25463441
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
上野 恭子 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (50159349)
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研究分担者 |
熊谷 たまき 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10195836)
小竹 久実子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90320639)
阿部 美香 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90708992)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 共感援助 / 身体科看護師 / 尺度開発 / 教育プログラム / 介入研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、緩和ケアの対象であるがん患者や予後不良の患者に対し、身体科所属の看護師の効果的な精神的援助能力を向上させるために共感的援助能力を養成する教育プログラムを開発することを目的とした。平成29年度前半まで、共感援助能力の程度を測定するスケールの開発を試み、本調査として全国38病院に所属する看護師1458名に無記名式自記式調査票を配布し、627部(有効回答率43.0%)を回収、分析した。その結果、共感援助尺度は16項目3因子構造となり、累積寄与率61.4%、16項目のα係数.91、因子間相関は.44から.61が認められた。SEMを用いた分析では、適合度GFI.907、AGFI.877、RMSEA.083が認められた。さらに外部基準尺度として「多次元共感尺度:MES」と「看護師の自律測定尺度」との間で比較分析を行い、相関係数から妥当性を確認でき、看護師の共感援助尺度を完成させた。 続いて、平成29年度後半には、看護師の精神的援助方法の問題点や考え方、行動の特徴に焦点をあてて「共感を用いた援助方法」の教育プログラムを考案して介入研究を実施した。プログラム内容を看護師の精神的援助のリフレクション、共感援助に関するレクチャー、2回目のリフレクションと各自の目標設定とし、プログラム介入直後と一カ月後に「看護師の共感援助尺度」とMESを用いて効果を測定した。また同意が得られた者を対象にインタビューを実施した。 介入研究の参加者は7名で全員女性であった。共感援助尺度得点の比較では、「共感援助」「こころの接近」「全人的理解」の3下位尺度得点とも一カ月後の平均得点が高い傾向にあり、MESでは「他者指向的な反応」の減少、「想像性」の増加傾向が認められた。インタビューでは、自分の話す言葉の意味を考えるようになり、患者の立場になって話すことができたと語られ、教育プログラムのある程度の評価を得た。
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