本研究の目的は、管理職となった保健師の管理的能力獲得モデルを作成することである。第1段階で管理能力獲得に寄与したと考えられる経験を質的帰納的に抽出し、第2段階では、それらの経験と管理職としての行政能力との関係について量的に検討した。 第1段階で18の経験が抽出され,それらは7つのカテゴリに整理された。第2段階で経験は3つの因子に整理された。共分散構造分析の結果、第1因子「活動を通じた保健師としての質の高い実践」を外生変数とし、他の2因子も含めた3つの因子から保健師実践能力を経由し、課長級の職務遂行能力に至るパス、および第1因子から直接、管理職の行政能力へのパスを有するモデルが得られた。
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