研究成果の概要 |
福島市の野生ニホンザルにおける放射性セシウム濃度を測定し、その経時的変化や季節変化を明らかにした。セシウムは、2011年4月に25,000Bq/kgと高濃度を示した後、同年6月には1,000Bq/kg程度にまでいったん減衰したが、冬季に2,000 から3,000 Bq/kgに達する個体が見られた。こうした冬季にセシウム濃度が上昇する現象は、これ以降も本研究最終年度である2015年度まで毎年観測された。また、サルの繁殖パラメータへの被ばく影響を明らかにするため、妊娠率を2008年度から継続して推定した。その結果、50%程度であった妊娠率が、2014年度(2015年出産)には20%に低下していた。
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