従来の情報検索システムでは文字列に依存する検索が行われてきたが、言語表現の重要な特徴量である韻律による検索システムはなかった。本研究は、主として口承によって伝承されたインド古典において特に重要な意味をもつ韻律によるインド古典アーカイブを構築した。これによってインド古典を参照する際、韻律の確認が可能となった。このアーカイブは今後古典読解に必須のツールとなるであろう。また、インド古典の韻律が、1)前2千年紀の半ば以来、連続的発展を示すこと、2)連続した3音節を基本単位とすること、3)2歩格と3歩格には用途に差があること、など重要事項が発見ないし確認された。
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