放射性セシウム(Cs)が玄米などの農産物及び海藻などの海産物に移行蓄積する事が知られている。Csはカリウムなどと同様に1価カチオンとして挙動するが、他のアルカリ金属よりも負荷電分子群と安定な錯体を形成しやすい。この様な物理化学的性質がCsの農地への長期蓄積及び農産物や海産物への移行濃縮機構の重要な分子基盤であるとの作業仮設の基にCsと玄米や茸類でのCs結合状態を生化学的に研究した。Phytinaseを用いた生化学的解析の結果、セシウムが玄米のフィチン酸リン酸部位に結合する可能性が明らかになった。玄米を健康食として好む消費者も少なくないが、セシウム汚染の不安が有る場合には精米食が推奨される。
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