各種土器に対してテラヘルツ波透過および反射分光を実施した。透過分光では、0.4THz以下のスペクトル帯域において吸収係数を算出し、土器ごとに差異が確認された。反射分光では、1THz以下のスペクトル帯域において複素誘電率を算出し、それぞれ土器ごとにスペクトル形状の差異が確認された。これらの差異は土器を構成する成分や結晶構造の違いに起因する可能性があり、テラヘルツ波による土器の非破壊計測の可能性を示すことができた。また、反射分光測定における位置設定精度の影響を定量的に評価し、今後の測定装置としての方向性を示した。
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