本研究は、マイクロ流体デバイスを用いて血管内皮細胞と間葉系幹細胞の共培養を行い、ペリサイトに被覆され安定化された毛細血管の構築を実現することを目的とした。特に、毛細血管の形成過程におけるペリサイトの役割を明らかにすることや、最終的に構築したペリサイトに被覆された毛細血管の三次元的な構造を検討することに取り組んだ。その結果、血管内皮細胞と間葉系幹細胞の相互作用を定量的に評価することで血管形成を促進する条件を見出し、ペリサイトの被覆によって安定化され、内腔の連続した毛細血管網を構築する組織工学的手法を確立した。この成果は血管網を含む三次元組織の再生を目指す組織工学において重要な足がかりとなる。
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