近年、骨格筋量の減少、筋力の低下等にみられる高齢者のサルコペニアが社会問題となってきている。本研究の目的は筋の内部構造および筋収縮時と筋弛緩時の内部構造の変化からサルコペニアの発生要因を探索することである。大学生男女を対象とし、前脛骨筋の筋力発揮時および弛緩時の超音波画像を撮影し、輝度変化およびエラストグラフィー値の変化について調べた。輝度平均値よりもエラストグラフィー値のほうが筋力との関連が高く、筋力発揮状況や最大筋力を推定する可能性が示唆された。また女が男よりも輝度平均値が高く、筋収縮に伴う輝度変化が小さかったことから、輝度変化率による将来のサルコペニア予備群推定の可能性が示された。
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