本研究の成果は、拙著『モニュメントの20世紀 タイムカプセルが伝える〈記録〉と〈記憶〉』(吉川弘文館、2015年)において発表した。震災の記憶を後世に伝える一つの手段として、タイムカプセル(と呼びうる手段)が選ばれた。特殊な素材と構造で保存容器を制作、その中へ震災に関係する資料を密封して保存するという方法である。明治東京地震では立教学校が鉛製の定礎箱を作り礎石の中に入れ、、関東大震災では永田秀次郎(元東京市長)が三重構造の保存筒を高野山に奉納し、阪神・淡路大震災では大阪天満宮と湊川神社が鳥居の中に震災資料を奉安した。
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