本研究では、(i) 複合語アクセント規則の表出透明性を操作した複合語の理解、(ii)左右枝分かれ曖昧性の構文処理と韻律情報の関係を中心とする複数の言語現象に関わる韻律情報の理解のあり方を異なる年齢層で比較した。i)においては、6-7歳児はアクセント変化の情報を用いて複合語構造の処理を促進させていることが確認された。ii)においては、枝分かれ構造の第二要素のピッチ上昇という韻律情報の解釈のあり方にはそれ自体曖昧性があるが、その解釈には大人子どもいずれの年齢層においても大きな個人差がみられること、さらにそのバイアスの方向性が年齢層ごとに異なり、年齢とともに大人の解釈に近づいていくことが示唆された。
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