この研究は、故伊藤明彦氏によって採録された「被爆者の声」(原テープと証言ビデオ)について、その採録された意図や目的、採録後の記録や資料などを調査し、一つの資料群として確定することで、デジタルアーカイブとしての新たな可能性を開こうとしたものである。具体的な研究作業を通して、まず、音源とともに、作成された録音名簿の今日的な意義が明らかになったこと、さらに、音源などの口述資料とそれに関連する文書資料を、系統的に整理することによって新しい価値が生まれるということなどの知見を得ることができた。さらに、このモデルを現代史資料モデルとして構想する際のいくつかの課題も同時に明らかになった。
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