本研究の成果として、まずはGISで利用可能な入市被曝者の移動経路データ、被爆当時の道路網データ、通行不可地点データ、が得られた。 また、上記のデータを用いて、GISによって入市被曝者の移動経路を描画し処理することで、移動距離データが成果として得られた。そして、移動距離データと広島大学原爆放射線医科学研究所が管理する原爆被爆者データベースの死因データを照合し、移動距離と死因との関連性について分析した。その結果、総移動距離が長く、爆心地からの最短距離が近いほど悪性新生物が死因となっている傾向が明らかとなった。特に、最短距離に注目してみると、爆心地から半径500メートル以内に多い傾向がみられた。
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