研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は、マレーシアのサバ州(旧北ボルネオ)における原住民裁判所と法文化の現地調査をつうじて実施した。その結果、原住民裁判所は、統治期のイギリスにとってはサバ諸民族の分割統治のための装置であったが、一般住民にとっては、固有法(慣習法)の主体的運用による「原住のサバ人」としての民族的独自性保持という戦略のための装置となってきており、固有法の根底に潜むアニミズム(精霊信仰)的な世界観が彼らの戦略の原動力となった、ということが明らかになった。
人文学