本研究は、1876年開催のフィラデルフィア万博に関して、それが多数の国家が参加したことに注目して研究を進めた。同万博で注目されるのは、日本と中国が参加していることである。日本と中国の展示は、「進歩」の度合いで対比され、評価された。特に日本は、一方では「進歩」したものとして、他方では人種的に劣位にあるものとして位置づけられた。
次に本研究は、メインパビリオンの一つである機械館に着目して、同館におけるアメリカの機械の展示を分析した。コーリスエンジンをはじめとする展示物は、その諸外国からの評価は極めて高いものだった。これによって、フィラデルフィア万博は、開催目的の一つである国際的地位向上に貢献した。
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