研究課題/領域番号 |
25590150
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
眞砂 照美 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (40330708)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 発達障害 / 五感 / グラウンデッド・セオリー・アプローチ / 異感覚体験 / 質的研究 |
研究概要 |
平成25年度は、五感及び発達障害についての内外の先行文献を収集し整理した。本研究に関連した研究では、 Richard S. Smith&Jonathan Sharp, Fascination and Isolation: A Grounded Theory Exploration of Unusual Sensory Experiences in Adults with Asperger(2013)がある。Smith とSharpはアスペルガー症候群の人を対象に、異感覚体験(Unusual Sensory Experiences: USEs)についてインターネットによる回答とインタビューの質的データ15名分を用いてグラウンデッド・セオリー・アプローチ手法で分析し、異感覚体験からもたらされる結果に至るプロセスのモデルを明らかにした。Smithらはこの分析結果を9の【カテゴリー】と18の<コード>を用いて次のように整理している。【感覚増幅】、【感覚ストレス】<恐れ/怒り>、<攻撃/逃避>、<回避>、【緩和要因】<単刺激/複数刺激>、<弱刺激/強刺激>、<整然/混沌>、<平静/ストレス>、【ストレスの雪崩】、【コーピング】<他刺激のブロック>、<刺激緩衝材>、<整然化>、<沈静化>、【他者】<感覚ストレスの原因>、<他者とのネガティブな相互作用>、<他者とのポジティブな相互作用>、【孤立】、【自己受容】、【魅惑】<楽しい/穏やか>、<スキル/能力>、<長期間の追従>、<注意をそらす> 調査を開始するに当たって、本学の医療研究倫理申請へ向けた準備を行った。また、西日本M-GTA研究会に参加し、インタビューデータの収集や管理における個人情報保護の問題とデータ分析における信頼性、客観性の確保について、研究会のスーパービジョンが有効であることが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究のテーマに関する研修会の実施及びアンケート調査内容の作成などについて、調査前に現時点で明らかになっている先行研究の成果と課題について確認する必要が生じたため、平静25年度は主として先行研究の検討を行った。また、個人情報保護及び研究倫理に基づいてすべての調査を始めるため、本学の医療研究倫理申請に向けて、調査対象者の選定、アンケート調査項目の作成やインタビューガイドの作成、インタビュー実施や参与観察に先立って開催する研修会について詳細に決める必要があった。倫理申請の結果を待って調査研修を開始する必要があるため、調査への着手が遅れた。また、研修の実施については、児童発達支援事業が平日に行われているため、開催が土日に集中してしまうと研修会参加者へ負担となるため、実施可能な日程や開催時期の見直しの必要性が生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
本学への医療研究倫理申請の承認が決まり次第、調査に移ることができるように、承認前にできる準備を行う。研修会案内及びアンケートを送付する児童発達支援事業所(平成26年3月現在 広島県内160ヶ所)の住所などのデータを入力しておく。また、医療研究倫理申請前でも行える研修会の準備をすすめ、会場の選定や必要に応じて講師の選定と依頼、研究協力者の選定と依頼等を行う。また、調査に先立ち、児童発達支援事業に関する最新情報を収集しておく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に実施する予定であった研修会及びアンケート調査、参与観察、インタビューの実施ができなかったため、これらにかかる費用(通信運搬費、講師料、研究協力者等の人件費、会場費、教材、データ保存用メディア等)を科研費から支出することができなかった。 これらの費用はすべて平成26年度に移行する。尚、可能な限り、研修会開催時に調音材パネル「ルームクリエータ(aural sonic)」が設置されている会議室を使用する。 また、当初の研究計画の通り平成26年度にデータを収集・保存・分析するためのノートパソコン(windows8.1)及びMicrosoft Office Home &Business 2013、セキュリティソフト、データ保存用セキュリティ機能付きUSB等を購入する。インタビューの実施及び参与観察にかかる費用(旅費等)、関係学会や研究会での発表を行う他、学会等に参加し最新の研究成果の情報を入手する。 また、テーマに関係する最新の文献等(DVD含む)を購入する。調査結果を分析する上で、必要なスーパービジョンを受け、発表への準備及び論文作成を行う。スーパービジョンを受けるための必要経費(旅費、宿泊費、謝金等)が必要となる。
|