東日本大震災で確認された「被災地のリレー」(過去の被災地の人々が現在の被災地の人々を支援する現象)の社会心理学的意義を解明し、歴史・文化・民俗的文脈に位置づけて、新しい災害救援・復興支援モデルへと結実させるためにアクションリサーチを展開した。救援を受けたことに対する負債感が、救援を惹起し、リレーによって、救援側の復興が推進されることを確認した。多様な分野の文献を渉猟し、文化の影響を考慮すべきこと、リレーの全貌把握が困難であることを結論した。「被災地のリレー」の拡充を目指したアクションリサーチからは、リレーによって形成された個人的な関係に注目すべきこと、実践的には資金面に問題が明らかになった。
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