本研究課題では,スマートフォン等の携帯性に優れた端末の普及に伴い,断片的で省略を含む言語表現が今日用いられやすい実態を指摘した。そうした今日的な言語表現である断片的かつ省略された言語表現の理解過程には,詩歌の理解時に行われる,省略表現を散文的表現にパラフレーズ(paraphrase)する過程(復元過程)とその後より多くの推論や再度パラフレーズを行う過程(拡充過程)の知見が援用できると論じた。さらに,こうしたいわば俳句的省略表現を理解する際の情報の復元・拡充過程を支援する方策として,他者とのコミュニケーションを用いた方法を提案した。
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