マイクロチップ上での遺伝子導入技術を確立した。この技術の,精密なタイミングで細胞に遺伝子を導入するという特長を生かし,体細胞のiPS化と細胞周期の関係につき研究を行った。G1期には赤,S期-G2期-M期には緑に発光するFucciを導入したHela細胞を用いて,山中ファクターを導入したところ,S期~M期で周期を停止する細胞が,山中因子を含まない場合に比べて有意に多く観察された。また,Oct3/4の抗体染色を行ったところ,約70%の細胞でGFPとOct3/4発現が一致しているという結果が得られた。これらの実験結果より,S期~M期での細胞周期停止は山中因子の導入・発現により誘発されたものと思われる。
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