BiFeO3およびBi(Fe,Co)O3を数nmまで極薄化しても非対称構造が保たれており、巨大な自発分極を観測することに成功した。これは、成長下地となっているSrTiO3基板によるエピタキシャル応力が原因であると考えられる。また、元素選択XMCD測定からBiFeO3とCoFeの界面で磁化が増大していることが示唆された。これは、BiFeO3中のFeのキャンと角度の増大もしくはBiFeO3の高い自発分極により界面に形成した電荷がCoFeのバンド構造を変調したことなどが考えられる。本成果はBiFe(Co)O3の極薄膜を障壁材料とした巨大電気・磁気抵抗効果の発現が期待できることを示唆した。
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