ハルナック不等式とは同一の中心をもつ大小の球を考えたとき,大きい球内での正値調和関数の小さい球内での値は中心の値の定数倍で比較されるという不等式である.有限個の球が半径に比例する十分大きい共通部分をもってつながっているものをハルナック連鎖という.ハルナック連鎖を構成する一つ一つの球にハルナック不等式を繰り返し用いることにより,ハルナック連鎖上の正調和関数の両端の値は比較可能なることをハルナック原理という.本研究ではハルナック連鎖の中に容量の小さな除外集合があっても,ハルナック原理が成立することを示し,その応用を与えた.
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