ネットワークやフラクタルのような関数の勾配という概念が自然に定義できない空間上で、アイコナール方程式を考える。そのため一般距離空間でのアイコナール方程式についての粘性解理論を確立した。また、結晶表面や金属の粒界の形状変化を記述する曲率流方程式、特に異方性の強いクリスタライン曲率流方程式について、その粘性解理論を、表面が曲線とみなせる場合に確立した。異方性の強い曲率流方程式はユークリッド計量以外の計量で面積(長さ)を測った場合の適当な距離空間での勾配流と形式的にみなせる研究対象であるが、一般論の確立はまだ行われていないので、個別に詳しく調べている段階である。
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