細胞の主成分は水であり、その細胞で生命現象は発現しています。細胞膜の周りやたんぱく質は、水で取り囲まれています。この水の性質は、一般的な水とは異なります。そのことが、生体機能発現に関係しており、この特徴的な水の性質を分析・検討していく手法の開拓とデータの蓄積が求められます。 一方、水の中で、特異な水の性質のみを選択的に分析するのは困難です。その一手法として動的核分極核磁気共鳴が注目されています。本研究では、その装置の製作を行いました。また、有機合成化学の技術により、人工の分子集合体を取り囲む水の信号を選択的に計測しました。今後、理論との融合により、分子集合体の水の運動性が定量化されていきます。
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