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2013 年度 実施状況報告書

超分子ヒドロゲルを利用した革新的血管内塞栓物質の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25620100
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関大阪大学

研究代表者

高島 義徳  大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40379277)

研究分担者 大須賀 慶悟  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90332741)
日高 国幸  大阪大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (50437430)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードシクロデキストリン / ヒドロゲル / ホスト-ゲスト相互作用 / 血管塞栓材料
研究概要

ホスト分子修飾塞栓物質の合成と球状成型
ポリアクリルアミドもしくはヒドロキシエチルアクリレートを基本骨格としたホスト分子修飾ヒドロゲルの作成を行った。ホスト分子としては、生体毒性の低い環状多糖のシクロデキストリンを選択した。シクロデキストリンの分子認識能を利用して薬物送達が期待できる。球状ゲルの作成は乳化重合により作成し、攪拌速度を量精することにより粒径サイズの調整を行った。さらに粒径サイズを整ったものを選別するために、100~1000ミクロンのメッシュサイズのふるいを用いることで、ある一定の分散度からなる球状ゲルの調整を行った。得られた球状ゲルは血管内に流すにはある一定の材料強度を保持させる必要がある。そこで、得られたヒドロゲルの材料強度をクリープメーターを用いて評価した。現在のところ、架橋密度を調整することにより、さまざまな材料強度を持ったゲルの作成に成功している。一方で化学架橋剤のみならず、非共有結合にて靭性の改善を行った。
ホスト分子とゲスト分子を修飾した超分子ヒドロゲルのの開発
CDの特徴として、ゲスト分子認識能である。この性質を利用して、ヒドロゲルの構成単位にシクロデキストリンとゲスト分子の両方を導入した。シクロデキストリンとゲスト分子を導入することにより、ヒドロゲル内部にて包接錯体が形成され、この可逆的な包接錯体が架橋点となり靭性に優れた超分子ヒドロゲルの作成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究概要でも述べたが、ホスト分子を修飾した超分子ヒドロゲルの作成に成功しており、また得られた超分子ヒドロゲルの球状成型や材料強度の調整などにおいては当初計画どおり順調に進展している。またホスト分子とゲスト分子の両方をヒドロゲルに導入した超分子材料は特徴的な靭性を示し、科学的に大変興味深い高分子特性と考え、学術論文に発表した。

今後の研究の推進方策

初年度にて、超分子ヒドロゲルの球状成型と材料強度調整に成功しており、今後、擬似的血管に注入することにより、導入挙動を観察する。実際の観察挙動を観察することにより、さらに球状ゲルの表面に疎水性の高分子にて被覆することにより、導入が容易になることなどが考えられる。また導入において、強度が低いとやわらかすぎ、意図する位置にて塞栓することができない。逆に硬すぎると、もろくなり、これも適切ではない。これらを自在に調整できる要素として、ホスト分子とゲスト分子の両方をヒドロゲルに導入した超分子材料が有効ではないかと考えている。研究概要で記載したとおり、特徴的な靭性を示しており、今後の材料作成において、化学架橋部位と非共有結合性の架橋部位の導入により、材料強度と靭性を自在に調整することに挑戦する。

次年度の研究費の使用計画

初年度においては、当初計画に従った超分子材料作成、およびその材料作成を行った。材料評価を経て、より高性能な材料を開発するために、材料合成の試行錯誤を繰り返したため、動物実験などの経費を実施を延期していた。よって当初計画の擬似的血管も出るの使用や動物実験への使用を見送った。
動物実験の倫理的な観点から、より有効で確実な材料を確認して実施する必要がある。このためには、まず、擬似的血管モデルで確認する必要がある。擬似的血管モデルにて、有効性を確認した後に、動物実験などに使用する予定である。よって、実験用動物の購入費用やディスポーザブル器具の購入費用などに使用させて頂きたいと考えている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Macromolecular Recognition and Macroscopic Interactions by Cyclodextrins2013

    • 著者名/発表者名
      Harada, A.; Takashima, Y.
    • 雑誌名

      Chem. Rec.

      巻: 13 ページ: 420-431

    • DOI

      10.1002/tcr.201300006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Highly Elastic Supramolecular Hydrogels using Host-Guest Inclusion Complexes with Cyclodextrins2013

    • 著者名/発表者名
      Kakuta, T; Takashima, Y; Harada, A
    • 雑誌名

      Macromolecules

      巻: 46 ページ: 4575-4579

    • DOI

      10.1021/ma400695p

  • [雑誌論文] ホスト-ゲスト相互作用を利用した自己修復性超分子材料の作製とその刺激応答性2013

    • 著者名/発表者名
      高島義徳・角田貴洋・中畑雅樹・原田明
    • 雑誌名

      工業材料

      巻: 61 ページ: 47-52

    • 査読あり
  • [学会発表] ホスト-ゲスト相互作用を用いた高靭性ヒドロゲルの作成と機能評価2014

    • 著者名/発表者名
      畠中省伍・高島義徳・原田 明
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学 東山キャンパス, 愛知県名古屋市
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] ホスト-ゲスト相互作用に基づく光応答性ヒドロゲルアクチュエータの作製と機能評価2013

    • 著者名/発表者名
      畠中 省伍 ・高島 義徳 ・中畑 雅樹 ・角田 貴洋 ・原田 明
    • 学会等名
      第62回高分子討論会
    • 発表場所
      金沢大学角間キャンパス, 石川県金沢市
    • 年月日
      20130911-20130913
  • [学会発表] Expansion-contraction of photoresponsive artificial muscle regulated by host-guest interactions2013

    • 著者名/発表者名
      Shogo Hatanaka, Yoshinori Takashima, Akihito Hashidzume, Akira Harada
    • 学会等名
      8-ISMSC
    • 発表場所
      Crystal Gateway Marriott, Arlington, Virginia, U.S.A.
    • 年月日
      20130707-20130711
  • [学会発表] ホスト-ゲスト相互作用を利用した人工筋肉材料の作製と機能評価2013

    • 著者名/発表者名
      畠中 省伍・ 高島 義徳・山口 浩靖・原田 明
    • 学会等名
      第2回JACI/GSCシンポジウム
    • 発表場所
      メルパルク大阪 大阪府大阪市
    • 年月日
      20130606-20130607
  • [学会発表] ホスト-ゲスト相互作用により制御された光応答性人工筋肉の膨潤収縮挙動2013

    • 著者名/発表者名
      畠中 省伍・ 高島 義徳・中畑 雅樹・角田 貴洋・山口 浩靖・原田 明
    • 学会等名
      第62回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館 京都府京都市
    • 年月日
      20130529-20130531

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公開日: 2015-05-28  

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