イムノクロマト技術は特別な機器を使用せずに診断できる非常に簡便な方法である。「光」を用いた蛍光検出は,「色」よって判断する従来法よりも高感度検出が可能であるが,蛍光検出装置が必要であるため簡便性に欠ける。そこで本研究では,機能性セラミック材料である長残光蛍光体に着目し,暗室下に置くだけで検出できる「無励起光型蛍光イムノクロマト技術」の開発に取り組んだ。ボールミルによる粉砕条件を検討することによって,バルク材料の特異な光物性を保ったままナノ粒子化することに成功した。さらに表面修飾法についても種々検討を重ねた結果,葉酸あるいは抗人型骨肉腫抗体を含む長残光蛍光体ナノ粒子の効率的な合成経路を確立した。
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