電気化学的二酸化炭素還元において,ルイス塩基としてピリジンを添加した結果,添加濃度によって反応活性が変化し,ピリジンが銅電極に吸着することが示唆された。次に種々のアニオン性のルイス塩基を添加した結果,トリフルオロメタンスルホン酸イオンを添加すると,-1.2 V(vs.Ag/AgCl)で,特異的に水素の生成量が低下し,メタンの選択率が高くなることが分かった。添加されたルイス塩基は,二酸化炭素分子の活性化よりも,水素発生の抑制に寄与していることが明らかになった。競合反応である水素生成が抑制された結果,過電圧が-1 V程度という,低過電圧でメタン生成が進行し,また選択率が向上した。
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