本研究においては,樹脂成形品における内部物性評価手法としてTHz光弾性法の適用を提案した.THz光弾性の妥当性を評価する基礎検証として,様々な条件で射出成形したポリプロピレン試料に対しTHz時間領域分光法(THz-TDS)を利用したTHz分光を行った.結果として,特に4~5THzの領域において,残留応力や結晶配向がTHz偏光特性と大きな相関があることが確認でき,提案法の妥当性が示された.THz応答は様々な要素に起因して生じているため,今後は定量的に分離できるよう,より偏光特性等の評価を推し進めれば,残留応力などの内部物性を精密に評価可能な技術が確立すると考えられる.
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