本研究の目的は,生物の血液循環器系の働きを工学的に模擬することで,(1)エネルギー供給,(2)老廃物運搬,(3)血液凝固による体組織の保護・修復,(4)温度調整などを含んだ多機能一体型システムを構築し,機械システムに応用することである.研究期間中は,組織の修復と老廃物運搬に焦点をあて,循環器系を利用した機械システムの自己修復および老廃物運搬・除去手法に関する研究を行った.また,物質運搬により修復する導線,センサの開発,構造部材の修復手法の開発,カプセルを利用した老廃物の吸着および除去手法の開発を行った.今後は神経系の働きを模擬することで,修復や老廃物の除去を効率的に行うシステムを構築する.
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