これまでの高温超伝導テープ線材では垂直磁界による交流損失が大きい。希土類系高温超伝導細線を作製するための第1歩として、圧延・引き抜き加工でニッケル平角細線(幅 0.5 mm、厚さ 0.2 mm)を作製し、その後の熱処理で立方体集合組織を得ることを試みた。しかし、圧延方向に (100) 面が配向しているものの、平角面では (110) 配向した結晶粒と (100) 配向粒が混在し、その上に(超伝導膜の作製に適した) (100) 配向したバッファ層を得ることはできなかった。SrTiO3単結晶角線の四面上に、ディップコーティング塗布熱分解法で高温超伝導薄膜をエピタキシャル成長させることに成功した。
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