本研究では、a)京町家の伝統的な形式・形態を維持した上での断熱、b)土壁、坪庭の熱容量と開口部の開閉による室温制御、c)縁側の開閉調整による日射と外気の取入れ・遮断による室温制御、d)坪庭への散水による蒸発冷却効果、e)室温に対する個人の好みの違いを許す暖房の考え方、f)ライフサイクルにわたるエネルギー使用への助成制度の可能性 について検討することを目的とした。京都市に建つ京町家モデル住宅を対象として種々の測定と解析を行い、夜間蓄熱の効果、ドラフトの関係、通風に及ぼす建具の影響、散水冷却効果などを明らかにした。
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