次世代の高強度鋼の開発が世界的に行われており、特に引張強度1.5GPa以上、破断伸び20%以上の性能を示す鋼の開発が強く望まれている。本研究はその様な鋼を実現するために不可欠となる、鋼のマルテンサイト相の大変形挙動の解析を、白色放射光を用いたマクロな応力分配解析とSEM-EBSPを用いたミクロな局所変形解析を実施することで、網羅的に明らかにしようとする試みである。本研究で得られた結果は、ラスマルテンサイトの持つ特異な変形機構を明らかにしており、今後新たなマルテンサイト組織の制御手法の確立に大きな影響を及ぼす結果となっている。
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