窒化アルミニウム(AlN)はパワーデバイス用のヒートシンク材料などへの活用が期待される機能性セラミックスであるが、高融点でかつ昇華性を有するAlN結晶を製造する手法は未だ確立されていない。一方、鉄鋼精錬プロセスでは、Alを含む鋼を窒素中で凝固させるとAlNが鉄中で結晶成長し、介在物となることが知られている。この現象について、本研究では固体アルミナ(Al2O3)と溶鉄の間には高い界面自由エネルギーが生じ、その界面自由エネルギーを下げようとして、AlNの結晶成長が生じているものと考えた。そこで、溶鉄‐固体アルミナ間の高い界面自由エネルギーを利用して、両相の間にAlN結晶を成長させることを試みた。
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