研究実績の概要 |
本研究では, 熱エネルギーを用いない製膜法として, 紫外光の光励起によりゾル-ゲル反応を促進する光ゾル-ゲル法を用いた光製膜法を提案している. 光ゾル-ゲル反応では, 紫外光照射により光酸発生剤 (Photoacid generator, PAG) からH+を発生し, アルコキシシランの加水分解・縮重合反応が励起されると考えられる. 光重合は反応性が高く, 低温かつ短時間で硬化するため, 高分子基材など耐熱性の低い材料への製膜が期待される. 本年度は,光ゾル-ゲル反応特性評価を行い, 光ゾル-ゲル法により高分子基材上へシルセスキオキサン (Silsesquioxane, SQ, RSiO1.5)膜を低温製膜および透過特性評価を行うことを研究目的とした. 分離層にスルホン化ポリエーテルスルホン層 (SPES) を有するNTR-7450 (日東電工株式会社製, 有効膜面積: 2.3 cm2) を高分子基材として用い,分離層には架橋型アルコキシシラン, 1,2-bis (trimethoxysilyl) ethane (BTMSE),SiOC2H5基を有する1,2-bis (triethoxysilyl) ethane (BTESE)を用いた. H2O/IPA分離係数は99を示したことから,高分子基材への製膜可能であることが明らかとなった
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