脳内の局所温度を自在にコントロールすることで、神経疾患の画期的な治療法となる可能性がある。この点に着目し、マウスの脳内に埋め込むことで局所(1mm3周囲)脳内温度を上は42℃、下は28℃まで加温冷却出来る局所脳内温度可変システムを開発した。そして、脳内冷却に伴う組織損傷や細胞死の有無を調べた。その結果、脳内温度を正常温度の37℃から30℃まで低下させた場合には、全く組織損傷や細胞死は観察されなかった。これらの点より、局所脳冷却を治療に用いた場合には組織損傷を伴う副作用は生じないことが確認出来た。そして、てんかん原性域を30℃まで低下させることで充分にてんかん発作の抑制を出来ることを見いだした。
|