種子寿命は、種子の流通や遺伝資源の保持の観点からみて極めて重要な形質である。吸水前の種子中には発芽時のタンパク質合成に必要な全てのRNA(long-lived mRNA)がすでに揃っている。したがって、これらのRNAの安定性が種子寿命の維持に関わる可能性がある。本研究では、イネ種子を材料とした解析から、発芽に必要なRNAの転写は開花後15~20で完了していること、および種子保存中のこれらのRNAの安定性が種子寿命の保持に重要であることを明らかにした。さらに、染色体断片置換系統群を用いて種子寿命の制御に関わる遺伝子の探索を行った。また、種子寿命の長い有用な遺伝資源となり得る品種を複数見出した。
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