本研究では,タンパク質X線結晶構造解析において結晶非接触での操作を可能にするゲルカプセル内でのタンパク質結晶化技術を開発した.得られる結晶はゲルで保護されているため,結晶をマウントツールで拾い上げる際に物理的損傷を与えることなく,さらに結晶の抗凍結処理,重原子化,リガンドソーク等においては浸透圧による結晶の損傷を大幅に低減できる.本手法によりゲルカプセル内での10種のタンパク質の結晶化に成功した.それら結晶含有ゲルカプセルをそのまま用いて,100 Kの温度環境下での低mosaicityの回折データ収集,さらに,タンパク質結晶の白金重原子ソークに成功した.
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