X染色体にコードされ,MAPキナーゼ類似構造をもつ新奇なプロテインキナーゼNrk(Nik-related kinase)の遺伝子欠損マウスの作製と解析を行い,胎盤組織の過形成を伴う分娩不全が生ずることより,Nrkは,哺乳動物の周産期,殊に分娩誘発に重要な役割を果たすことを明らかにした。 分娩発来時におけるNrkの生理的意義を解明するため,遺伝子欠損マウスの分子生理学的解析ならびにそのリン酸化基質を含む相互作用因子の探索を行った。現在,Nrkが欠損したマウスにおける表現型を齎すと考えられる原因遺伝子が複数同定されてきており,これらのタンパク因子が直接Nrkとどのように関与するのか解析中である。
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